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認知症の親を介護しながら考える、将来の相続のこと

認知症の親を介護していると、日々のケアだけで手一杯になり、将来の相続についてはつい後回しにしてしまいがちです。しかし、判断能力が低下した状態が続くと、相続に向けた準備そのものが難しくなることがあります。介護の日常の中で、少しずつ考えておきたいポイントをまとめました。

判断能力が低下すると、できることが限られてくる

認知症が進んだ状態では、本人の意思確認が必要な手続きが難しくなることがあります。たとえば、財産の整理や各種契約の変更などは、本人の意思がはっきりしている段階でなければ進めにくいものです。「まだ大丈夫」と思っているうちに、少しずつ判断能力が変化していくケースも珍しくありません。介護が始まったタイミングは、家族が本人の状況を客観的に把握しやすい時期でもあります。この時期に、財産の状況や希望をゆるやかに確認しておくことが、後々の選択肢を広げることにつながります。

一人暮らしの高齢者が増えている中で、家族が把握しておきたいこと

総務省の住宅・土地統計調査によると、全国の高齢者のいる世帯のうち、高齢者だけの単身世帯は32.1%にのぼります(2023年10月時点)。離れて暮らす親の場合、日々の様子や財産の状況を家族が把握しきれていないことも少なくありません。介護をきっかけに親元へ通う機会が増えたら、通帳や保険証券、不動産の権利証など、財産に関わる書類がどこにあるかを本人と一緒に確認しておくと安心です。無理に踏み込んだ話をする必要はなく、「何かあったときのために、書類の場所だけ教えておいてほしい」という程度の声かけから始めるとよいでしょう。

本人の意思をどう残しておくか、家族で考える

判断能力が十分なうちに、本人の意思を何らかの形で残しておく方法があります。財産の分け方についての考えや、介護・医療に関する希望などを、エンディングノートのようなかたちで整理しておくことも一つの手段です。また、判断能力が低下した場合に備えて、財産管理や契約手続きを支援してもらう制度も存在します。どの方法が向いているかは、本人の状況や家族構成によって異なるため、早い段階で専門家に相談しておくと、選べる選択肢が広がります。介護と将来の相続は別々の問題のようでいて、実はつながっています。今の生活を支えながら、少しずつ将来にも目を向けていくことが、本人にとっても家族にとっても安心につながります。

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